本文へスキップ

 コラムCONCEPT

ション

不動産登記法から考える
相続放棄と特別受益の計算の違い


相続財産中に不動産があり、さらに相続の放棄をした相続人がいる場合には各相続人の相続分はどのようになるでしょうか?


相続放棄をした場合はその相続人はその相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。(民法第939条)


条文通り、相続放棄をした人は初めから相続人とはならなかったのでその人を除外して計算します。例えば、甲不動産の単独所有者が死亡した場合に相続人が配偶者A、子B,子Cの三人とします。この時点では法定相続分は、配偶者A1/2 子B1/4 子C1/4 です。そして子Cが相続の放棄をした場合には配偶者Aと子Bだけが相続人となり、原則、法定相続分である、A1/2 B1/2 となります(法定相続分の確認をしたい方はこちら)。そして甲不動産の登記も相続を原因として A1/2 B1/2 へ移転の登記をします。こちらはシンプルです。

それでは特別受益者(特別受益に関してはこちら)がいて、その人の相続分がない場合、つまり特別受益額が相続額を超えてしまって、今回の相続に関して相続分が無い(もらう分が無い)場合の計算をしてみましょう。注意しなければならないのは、相続放棄と違って、相続人ではあるということです。相続放棄をすると権利はもちろん、義務もなくなりますが、特別受益者はあくまで相続人なので、義務はついてきます。相続放棄では放棄者を相続人にカウントしないのに対し、相続分の無い特別受益者がいる場合には、その人の分を他の相続人に相続分に応じて割り当てるという形になります。では計算にどのような違いがあるか見てみましょう。
 
上記と同様の例で見ていきましょう。 相続分は法定どおり、配偶者A1/2 子B1/4 子C1/4 特別受益で相続分のないのは 子C とします。相続放棄ではCは初めからカウントしませんが、今回の計算では頭数に入れたうえで、他の相続人に割り当てましょう。


@ まず分母をそろえる。
 
→ A2/4 B1/4 C1/4 
 (これで特別受益者を含めた全体の持分をだします。)


A 分母をそろえた上で特別受益者以外の分子だけを足す。
 
→ Aの2+Bの1=3
 (Cを含めた全体持分を基礎にCを頭数から除外した持分です。)


B 足した分子である3をもと(分母)に各自の割合である数字をのせる。
 
→ A2/3 B1/3 となる。
 (全体持分からCを頭数から外した相続持分がでます。これが相続する持分)

  
相続不動産の価額が3000万円であるなら、特別受益者のいる場合の計算では A2000万円 B1000万円の計算になります。
上記、相続放棄の事案に照らし合わせると A1500万円 B1500万円 になります。 
特別受益者がいる場合の計算では、Cの分が他の相続人全員に帰属しているのがわかりますね。



対応可能地域

<兵庫県>
尼崎市、伊丹市、西宮市、川西市、猪名川町、宝塚市、芦屋市、神戸市(全域)

<大阪府> 
大阪市(全域)、池田市、豊中市、箕面市、吹田市

上記以外の地域でも対応可能な場合がありますのでお問い合わせください。

※ 手続きの受任に際しては、事務所または依頼者の方の指定する場所で司法書士との面談が必要となります。司法書士が出張する場合で原則として往復1時間以上要する場合には交通費実費と日当が加算される場合がございます。

司法書士事務所
 尼崎リーガルオフィス


 〒661-0012
 兵庫県尼崎市南塚口町1-26-28
 南塚口ビル本館403

 TEL 06-6424-2705
 FAX 06-6424-2706
 Email ama-houmu@jade.plala.or.jp