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成年後見人が知っておくべきQ&A


年後見人になったけど、どんなことに注意して業務を行えばいいの?


家庭裁判所から後見人に選任されてから後見人としての業務が開始します。後見人には善管注意義務(善良なる管理者としての注意義務)が課せられますが、これは被後見人の代理人として大きな権限を持つがゆえに、一般的な注意義務よりも程度の重い義務があるためです。

そのため、後見人が求められるべき業務遂行を怠ると損害賠償責任を負うことや後見人の職を解任されることもありますので、後見人が注意すべき事項を紹介しています(福岡家庭裁判所のQ&Aを参考にしております)。

このQ&Aでは、成年後見人を対象としていますが、保佐人や補助人についても、財産管理に関する代理権が付与されている場合には、成年後見人と同様の責任と義務を有しています。その場合には、成年後見人を保佐人や補助人と読み替えてご参照ください。


Q1.成年後見人とはどのような仕事をするのですか?

成年後見人の職務は、以下の3点です。
①被後見人(後見を受ける人)の財産を適正に管理すること
②被後見人の身上監護に配慮すること
③成年後見人として行った職務の内容を家庭裁判所に報告すること

以下、個別に具体的な職務内容を説明します。
【財産管理】
財産管理とは、被後見人が持っている財産を適正に管理・処分するということで、高い厳格性が求められています。
1.成年後見人に選任された段階で、速やかに被後見人の財産や収入等を調査し、その結果を財産目録として家庭裁判所に提出すること。
2.被後見人の生活や療養、財産管理等に必要な費用を計算するなどして、財産管理計画を立てること。
3.被後見人の財産を適正に管理すること。管理の内容は、預貯金通帳の保管、保険金や年金等の受領、必要な経費の支出等広範囲に及びます。
4.財産の管理状況等を記録しておき、家庭裁判所から報告を求められた場合等に報告すること。
【身上監護】

身上監護とは、被後見人の住居の確保、生活環境の整備、施設等への入退所契約、病院への治療及び入院手続きなどの支援を行うことです。ただし、被後見人を引き取って同居したり、直接的な身体介護を行うことは必ずしも後見人の職務とはいえません。それら身体介護を受けられる体制を整えることが後見人の職務と言えます。
また、必要な場合には生活保護の申請をしたり、介護保険における要介護度の認定に対する異議申立を行うなどの公法上の行為も後見人の職務です。
身上監護にあたっては、被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しながら、同人の利益にかなうように職務を行うことが必要です。本人の意思に反する入院や介護等の強制は後見人であっても許されません
【職務内容の報告】

財産管理報告については上記に記載のとおりですが、身上監護についても定期的に家庭裁判所に報告する必要があります。そのため、被後見人の生活状況や健康状況についても常に把握しておく必要があります。


Q2.被後見人の収入はどのように管理すればよいですか?

被後見人の収入としては、給与や年金・不動産収入・生活保護費等が考えられますが、必ず、後見人など第三者の収入と区別して、被後見人名義の口座または後見人名義の口座であっても被後見人の預貯金である表示のある口座で管理をしてください。
また、被後見人の定期的な収入については、容易に把握ができるように、なるべく1つの口座で管理してください。


Q3.被後見人の支出はどのように管理すればよいですか?

被後見人の財産から費用を支出する際には、それが被後見人のための適正な出費であることが当然必要ですが、さらに、「限りある財産を有効に活用する」という視点が必要です。管理にあたっては、①被後見人のための支出と後見人など第三者の支出が混同しないように区別し、②日頃から支出状況についてきちんと記録し、③個々の支出内容を裏付ける領収書等の証明資料をしっかり保管しておくこと が大切です。

以下、実務でよく迷う適正な支出かどうかの具体例です。

1:後見人としての仕事に要した交通費は支出できますか?
 
後見人が職務遂行のために病院等に出向く際には、被後見人の財産から交通費を支出することは可能です。しかしながら、原則として列車やバス等の公共交通機関の料金に限られると考えるのが相当です。また、面会に来てくれた親族らに対して「車代」などの名目で被後見人の財産から交通費を支出することはできません。

2:被後見人の身内や知人らへの香典や祝儀は支出できますか?
 被後見人の身内や親しい友人の慶弔に関する支出については、常識的な金額の範囲内であれば、被後見人の財産から支出しても構いません。ただし、支出の必要性や相当性については慎重な判断が必要であり、誰もが納得できるものでなければなりません。

3:被後見人の送迎及び介護のために自動車を購入してよいですか?
 
単に「被後見人の送迎や介護のため」という理由では、被後見人の財産から自動車の購入は認められません。ただし、自動車がなければ被後見人の介護等がどうしても困難であり、かつ、自動車を購入することが他の方法よりも経済的であるなどの場合には不適切と言えないこともあります。事前に詳細な事情をまとめて裁判所に相談してください。

4:被後見人の介護をしてくれる人に報酬を支払いたいのですが?
 
被後見人の身体介護が必要で、それに付添看護師等に依頼する場合には当然に被後見人の財産からその費用を支出できますが、病院や施設等において十分な介護がなされているような場合には「限りある財産を有効に活用する」という観点から慎重な判断が必要です。また、身内が介護しているような場合は、報酬支払の必要性等についてさらに慎重な判断が必要です。支払う金額を含めて、常識的なものであると同時に、被後見人の親族らの誰もが納得できるものである必要があります。

5:後見開始の際に要した鑑定費用や手続費用を申立人に返したいのですが?
 後見人に選任される前の後見開始の申立費用(収入印紙、切手、鑑定費用、手続の報酬等)は申立人の負担となっており、原則として被後見人の財産から支出できません。



Q4.被後見人の不動産を管理するに際し何を注意すればよいですか?

被後見人の居住用不動産を処分(売却のみならず、賃貸や抵当権の設定も処分に含まれます)する必要がある場合には、必ず事前に家庭裁判所に「居住用不動産の処分許可」の申立を行い、その許可を得る必要があります。居住用以外の不動産については、基本的には後見人の責任で処分ができますが、処分の必要性について十分に検討の上、被後見人に損害を与えることのないよう注意が必要です。

居住用不動産とは、
被後見人が現に居住していたり、あるいは、今後帰住する可能性のある居宅及び同敷地をいいます。
居住用不動産は、被後見人にとって「生活の本拠」であり、「心のよりどころ」であるため、それらの処分は被後見人の心身や生活に非常に大きな影響を与えることになるため、事前に家庭裁判所の許可を求める制度になっています。後見人が家庭裁判所の許可を得ないで被後見人の居住用不動産を処分した場合には、その処分行為は無効となります


居住用以外の不動産の処分については裁判所の許可は不要であり、後見人の責任で行うことができますが、不動産を売却すれば費消されやすい現金となり、抵当権を設定すれば不動産の財産的仮が減少するため、むやみに処分することは望ましくありません。処分にあたってはその必要性を充分に検討し、被後見人に損害を与えることのないよう注意が必要です。
万が一、損害が発生した場合は、後見人が弁済することを求められますし、後見人を解任される可能性があります。


Q5.被後見人が相続人となる遺産分割はどのようにすればよいですか?

被後見人が相続人となっている遺産分割の協議にあたっては、後見人が被後見人を代理することになります。その協議にあたっては、原則として被後見人が法定相続分(民法900条)を取得できるようにする必要があります。

後見人に親族が就任している場合で、後見人も相続人の1人である場合には、同じ遺産分割協議において、被後見人と後見人の利害が相反してしまいます。そのような場合には、後見人は被後見人を代理することができないため、家庭裁判所に
「特別代理人選任」という申立てをして、遺産分割協議における被後見人の代理人を決める必要があります。


Q6.後見人自身が、被後見人の不動産を購入することはできますか?

購入することは可能ですが、被後見人と後見人の利害が相反するため、その売買契約について後見人は被後見人の代理人となることができません。Q5と同様に、家庭裁判所に特別代理人選任の申立てを行うことが必要です。

なお、後見人と被後見人の利害が相反している場合でも、後見監督人が既に選任されている場合には、後見監督人が被後見人を代理することになりますので特別代理人の選任は不要です(ただし、後見監督人も後見人と利益相反の関係にある場合には特別代理人の選任が必要です)。


Q7.被後見人にお金がまったくない場合、後見人が生活費等を負担するのですか?

被後見人に財産や収入がない場合、被後見人の生活費(入院費等を含みます)は、被後見人の扶養義務者が単独又は共同で負担しなければなりません。したがって、
後見人だからといって、それらの費用を負担する義務はありません
しかし、後見人自身が被後見人の扶養義務者でもある場合には、扶養義務者の1人として負担を求められることはあります。
扶養義務者がいなかったり、扶養義務者に資力がないような場合は、生活保護などの公的扶助を受給することになります。
むしろ、後見人としては被後見人の居住地の市町村役場等に出向き、公的扶助の申請手続きを行うことが職務といえます。


Q8.後見人になってから転居した場合は何か手続きが必要ですか?

後見人になってから転居によって住所が変わったり、婚姻・離婚・養子縁組などによって姓が変わったりした場合は必ず家庭裁判所に報告してください。また、後見の登記事項である ①法定後見の種類(後見・保佐・補助の別)、②後見人の氏名及び住所、③被後見人の氏名及び本籍、住所などに変更がある場合は、後見人は東京法務局(※全国どこであっても東京法務局に対して手続きを行います)に登記事項変更の登記申請を行うことが必要です。


Q9.後見人を辞めることはできますか?

後見人は、被後見人の権利や財産を守るために、家庭裁判所から適任者と認められて選任されたため、自らの都合で自由に辞任することはできません。後見人の辞任は「正当な事由」がある場合に限られます(例えば、病気や高齢、遠隔地への転居等)


後見人が辞任した場合、他に後見人がいる場合を除いて、その後見人は速やかに新たな後見人の選任を家庭裁判所に請求しなければなりません。通常は、成年後見人の辞任の申立てと同時に、成年後見人選任の申立てを行います。


Q10.後見人はどのような場合にどのような責任を問われますか?

後見人に、「不正な行為」、「著しい不行跡」、「その他後見の任務に適さない事由」があるときは、後見監督人、被後見人、被後見人の親族、検察官の請求、又は家庭裁判所の職権により後見人解任の審判をすることがあります。
*「不正な行為」とは、被後見人の財産を横領するなどの違法な行為をいいます
*「著しい不行跡」とは、品行が甚だしく悪いことをいいます
*「その他後見の任務に適さない事由」とは、後見人の権限を乱用したり、不適当な方法で財産を管理したり、任務怠ったりした場合をいいます

後見人は、被後見人のために十分な注意を払って誠実にその職務を遂行する責任を負っています。そのため、故意又は過失によって被後見人に損害を与えた場合には、その損害を賠償する責任があります。


また、後見人が被後見人の財産を横領した場合など、特に悪質な場合には、単に損害を賠償するだけでは許されず、業務上横領罪などの刑事責任を問われることもあります(刑法253条/10年以下の懲役)。


Q11.後見人自身が、被後見人の不動産を購入することはできますか?

購入することは可能ですが、被後見人と後見人の利害が相反するため、その売買契約について後見人は被後見人の代理人となることができません。Q5と同様に、家庭裁判所に特別代理人選任の申立てを行うことが必要です。

なお、後見人と被後見人の利害が相反している場合でも、後見監督人が既に選任されている場合には、後見監督人が被後見人を代理することになりますので特別代理人の選任は不要です(ただし、後見監督人も後見人と利益相反の関係にある場合には特別代理人の選任が必要です)。


Q12.後見人の仕事はいつまで続くのですか?また、その時は何をすればよいですか?

後見人の仕事は、原則として被後見人が死亡するまで続きます。ただし、「後見開始の審判が取り消された場合」や「後見人が辞任した場合」、あるいは「後見人が解任された場合」には、当然に後見人の任務は終了します。
なお、後見人の任務が終了したときは、後見人は2か月以内に、①被後見人の財産についての収支を計算し、②相続人(もしくは被後見人又は新しい後見人)に財産を引き継ぎ、③その結果を家庭裁判所に報告 することが必要です。

なお、被後見人が死亡した場合には、相続人間で定められた代表者に引き継ぎますが、他の相続人に対しすみやかに代表者に財産を引き継いだ旨を通知することも必要です。


Q13.後見人は、後見事務についての報酬をもらうことができますか?

もらえます。ただし、必ず事前に、家庭裁判所に対し報酬付与(請求)の申立てを行い、報酬として裁判所が認めた額に限って、本人の財産から受け取ることができます。勝手に本人の財産から受領した場合は、業務上横領罪として処罰されることもあります。なお、報酬の金額は、後見人の仕事の内容などに応じて、その都度家庭裁判所が決定します。



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