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公正証書
貸金の借用証書、離婚に伴う養育費の支払いなど、後の紛争防止のため公の文書として残すべき場合に作成します。遺言についても公正証書で作成されることをおすすめいたします。
公正証書って何?
公正証書とは、公証役場で公証人より作成される文章です。公証人とは、法務大臣によって任命された法務局・地方法務局に所属している公務員であり、裁判官・検察官・弁護士のOBといった法律のプロが務めています。公正証書は、そのような立場の公証人が公の立場で証明したことを示す文書であり、公正証書によって作成された文書はきわめて信憑性が高い=証拠として非常に強い力をもつことになります。
どのようなときに公正証書をつくるの?
様々な場合に公正証書は作成されますが、一般的には以下のようなケースが多いです。
- 離婚に関する協議
⇒ 養育費・財産分与・子供の親権をどうするのか、といった協議書を公正証書に作成します
- 遺言作成
⇒ 特に民法の規定(法定相続)とは違う形で財産を残したい場合、たとえばお世話になった身内に遺産を残したい、身内がいないので他人に財産を譲りたい、といった場合は公正証書を作成しておいた方がよいでしょう。
- お金の貸し借りに関する契約
- 建物等の賃貸借
- 会社の定款作成
- 銀行が貸し金庫を開けて内容物を点検し、保管するとき など
また、法律で公正証書の作成をしなければならない、と定められている契約もあります。たとえば、賃貸借契約の類型のひとつである事業用定期借地権の賃貸借契約や任意後見契約などです。
公正証書のメリット・デメリット
○ メリット
- 高い証拠力
裁判や調停など訴訟手続きとなった場合、主張をする人がその事実を立証しなければならないルールがあります。たとえば、お金を貸したから返せ、という裁判を提起した場合に相手方が<借りていない>と言い返してきた場合には、お金を貸したという事実を立証しなければなりません。
現実には、借用証書が立証するための証拠となるのですが、借用証書が私文書で作られていた場合には<虚偽の借用書だ>と相手が言ってくる場合もあります。また、私人間で借用証書を作成した場合には記載に不備があることもよくあります。
その際、借用証書が公正証書で作成されていれば、公証役場で公証人が作成した文書ということで証拠力は高いものとなります。
- 執行力
執行力とは、裁判所を通じて給料や預金・動産・不動産などの財産を差し押さえ(強制執行)ができることをいいます。たとえば、お金を貸して返してもらえない場合、裁判や調停などでその請求権を認めてもらい(これを債務名義といいます)、その後に強制執行の手続きが初めてできることになります。
公正証書を作成しておけば、裁判所の判決(債務名義)がなくても強制執行手続きをすることができます。
※ ただし、金銭の取り立てを目的とした公正証書によって強制執行をするためには、以下の2つの要件が必要です。
① 公正証書に一定金額が明記されているか、公正証書の文言からその金額を算出できるように記載されていること
② 公正証書に「私(債務者)が契約違反したときは、強制執行を受けても異議はありません」という、執行認諾条項が記載されていること
⇒①・②の要件が欠けている場合には、公正証書をもとに強制執行はできません。また、①・②の要件が満たされた公正証書のことを強制執行ができる公正証書という意味で執行証書ともいいます。
- 安全性
公正証書を作成する際には、内容が法律等に違反していないか事前に公証人よりチェックされます。つまり、法律に違反をしていたり公序良俗に反していて公正証書の内容が無効になるということはほとんどありません(ここで、絶対にない、と言い切れないのは法律の解釈が後に変わることもあるからです)。
一方、私人間で作成した文書は、法律に反していたり、記載内容が不十分であったりして、後に裁判所での訴訟手続きに移行した場合に無効となることもありえます。
また、保管という意味でも安全です。公正証書は公証役場が原本を厳重に保管してくれているため、公正証書の控え(正本や謄本)を紛失した場合でも、写しの再発行が可能です。
※ 遺言の照会について
遺言者が死亡した場合、相続人による遺言の照会が可能となりました。遺言者が公正証書で遺言を作成したかどうかすらわからない場合には、遺言の照会をされることをおすすめいたします。平成元年(東京都内で作成した公正証書遺言については昭和56年)以降に作成された公正証書遺言であれば、作成した公証役場名・公証人名・遺言者名・作成年月日等をコンピューターで管理していますので、全国の公証役場ですぐに調べることができます。なお、秘密保持のため、公証人を通じて照会依頼をすることができるのは、相続人等の利害関係人に限られます。
× デメリット
- 費用がかかる
公証役場に納める手数料のほか、専門家に作成を依頼した場合にはその費用がかかります。
※ 公証役場に納める手数料についてはこちらのページで説明しています
- 手間がかかる
公正証書を作成する場合には、当事者(またはその代理人)が公証役場にいく必要があります。ただし、病気等で入院している場合等で公正証書遺言を作成する場合には公証人が出張してくれます(別途費用必要)。
※ 公正証書作成のための代理人を選任した場合には、ご本人が公証役場にいくことは不要です。
どうやって公正証書をつくるの?
公正証書の作成手順です。
① 内容を決める(下書きをつくる)
② 下書きした書面を公証人に見てもらいチェックしてもらう(通常はFAXでやりとりをします)
③ 公証人に指摘された箇所があれば、内容を修正する
④ 内容が決まったら、公正証書を作成するための日時を公証役場に予約をする
⑤ 当事者(契約の場合は債権者と債務者、遺言の場合は本人と証人2人)が公証役場に行き、公正証書の内容を公証人が読み上げますので、それを確認した上で、所定の箇所に署名捺印をする
公正証書をつくりたいが、時間がない・作り方がわからない、といった場合には専門家(弁護士や司法書士など)に作成を依頼することもできます。ご自身で作成される場合に比べて、費用はかかりますが正確かつ迅速に公正証書を作成することが可能です。
※ 日本には公証役場が299箇所あります。お近くの公証役場は全国公証役場所在地のページでご確認ください。
また、より詳しい公正証書及び公証人については日本公証人連合会のページをご覧ください。
司法書士事務所尼崎リーガルオフィスからのアドバイス
「100万円を借りて、何月何日までにお返しします。」
「離婚後、養育費を月々5万円支払います。」
これらの約束は口約束でも有効にその効力は発生します。しかし、口約束だけでは、支払が滞ってしまった場合に<言った・言わない>のトラブルが発生することもあります。また、約束を守ってもらえない場合には、証拠を用意して裁判を起こすこともあります。
これでは、手間も時間もかかる上に、確実に支払ってもらえるかどうかもわかりません。
将来のトラブルを避けるために、契約は書面で残すことは当たり前です。当事者間で契約書を取り交わすだけでなく、公正証書を作成しておくとさらに将来のトラブル回避につながります。
公正証書については司法書士事務所尼崎リーガルオフィスまでお気軽にお問い合わせください
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